宿守屋 寿苑のわくらむすび 和倉温泉蒸籠蒸しおむすび

食事の時間が少しでも特別な時間になってほしい。

からんからんと歩くお客さんの下駄の小気味よい音が、和倉温泉育ちの帽子山少年の背景にはいつも聞こえていた。和倉温泉育ちの料理人・帽子山流わくらむすびは、ほのかな温泉の香りが漂う。薄めた温泉水で蒸す蒸籠の中に並ぶのは、自家製の原木椎茸の味噌煮おむすびと、中島菜おむすび。
「能登を出るまで、風呂は温泉にしか入ったことがなかったんです。おむすびにも和倉温泉を使いたいと思いました。」湯気のたつおむすびの横には、能登の海の幸がまるでパレットのように色鮮やかに盛られている。富来の甘エビは刺身、能登河豚はたたき、宇出津の鰤は昆布締めで。それぞれ酢締めにした源助大根、能登むすめ、赤(こう)しん大根が爽やかな赤色で包んでいる。
「いつもと違う食事の時間を味わってほしいなと思いながら作っています。」そのおもてなしには、地魚の美味しさも然ることながら、手仕事ならではの美しさが兼ね備えられている。
帽子山さんのおもてなしは、料理の温かさにもこだわる。おむすびと同じく湯気のたった味噌汁の小鍋からは、能登の白葱が香る。海藻のアカモクが色を変えたら食べ頃だ。生粋の和倉人・帽子山さんの温泉のように温まる料理は、日頃の生活から少し離れて心も旅する特別な時間を味わわせてくれる。

The balanced cooking of basic ingredients creates a tasty dish.

Chef Boushiyama was brought up in Wakura Onsen and his Wakura Musubi gives off a slight aroma of hot spring water. Omusubi with homemade Genboku shiitake mushrooms, cooked in miso paste and Nakajimana leaves, are steamed in a bamboo steamer with diluted hot spring water. Along with the rice balls, there is seafood from Noto, such as amaebi shrimps, seared Noto puffer fish, and yellowtail pickled in kelp, all beautifully displayed like a colorful canvas. Miso soup in a hot pot is ready to eat when the Akamoku seaweed changes color.

料理人 帽子山大助 Chef Daisuke Boushiyama

料理人 帽子山大助 Chef Daisuke Boushiyama