ゆけむりの宿 美湾荘のわくらむすび 能登河豚真子とこんか鯖のいしる茶漬け

椀全体を能登のイメージで作りました。

この輪島塗の一椀はまさに能登の縮図だ。北陸の冬のタンパク源である保存食の糠鯖に河豚の真子、出汁には能登海洋深層水塩といしりが隠し味に入っている。 「能登では保存食として糠鯖などのこんかものを昔から漬けてます。子供の頃はその美味しさが分からなかったけど今は大好き。親父に似てきたなと思うね。」輪島育ちの浦さんは今も輪島に暮らす。
「能登はいいですよ〜海はどこも美しいし、食べ物はおいしいし、魚もなんでもあるよ。」その声は、まるで能登を唄うように明るく弾む。
「小さい頃はバーベキューといっても磯で兄貴と採ってきたサザエ焼いたり野菜や魚焼いたりして、肉はほとんどあたらなかったな(※)。」毎日海のものを食して育った味覚は、私達にも海の幸を身近にしてくれる。浦流わくらむすびは、網焼きにした食感のいいおむすびに糠鯖と河豚の真子、そこへいしりと能登塩の入った鰹出汁を注ぐ。ほどけるように真子が広がり、糠鯖の強い塩分と拮抗した強烈な旨味がおむすびと重なり、出汁が最高に旨くなる。
「鰹出汁にいしるぽとぽと、塩ぱらぱら。」
その料理の手順を唄うように話す浦。この料理人の手にかかると、特別なものだと思っていた郷土保存食の珍味が、毎日食べたい味へと変わる。

※あたらなかったな…「与えられなかったな」

The bowl represents the image of Noto.

Chef Ura was born and brought up in Wajima, and has always enjoyed eating local seafood. Fermented food in rice bran, such as Konka mackerel, is popular as a preserved food in Noto. Although not keen on them as a child, the chef improved his palate and loves them now, which in turn helps him to acquaint the diner with seafood. Ura’s dish, served in a Wajima lacquer ware, represents the image of Noto. A grilled rice ball topped with fermented puffer fish ovary forms the perfect match to the bonito broth with Ishiri fish sauce and Noto salt.

料理人 浦青史 Chef Seiji Ura

料理人 浦青史 Chef Seiji Ura